
AI エージェントが Grasshopper の中で直接モデリングします。MCP でキャンバスに接続すると、エージェントが自分でコンポーネントを追加し、ワイヤーをつなぎ、スライダーを設定し、スクリーンショットで結果を確認して問題を自分で直します。設計者は日常の言葉で要望を伝え、方向性を判断するだけです。
- オープンソースのプラグイン Cordyceps を Grasshopper の MCP コネクタとして使い、Claude Code などのエージェントがコンポーネントの追加、接続、スライダー設定、出力の読み取り、スクリーンショットを行えるように
- 既存のパラメータを調整するだけでなく、定義をゼロから組み立て、モデルの構造を変え、複雑な形状には Python スクリプトコンポーネントも書きます
- 一歩ごとにスクリーンショットを撮り、出力値を読んで自己チェック。誤りは自分で修正します(例:データツリーが平坦化されていないことによるスケールの誤り)
- 四つの事例:パラメトリックなファサード、参考画像から再現した照明シリーズ、形 × テクスチャのスツール生成器、写真から再現したウェーブスラットのスツール
パラメトリックモデリング:発想は速いのに、配線は遅い
Grasshopper でアイデアをパラメトリックモデルにするには、どのコンポーネントを使い、どうつなぎ、データ構造をどう揃えるかを知っている必要があります。形を少し変えるだけでも、定義の一部をまるごと組み直すことがよくあります。
よくある AI の手助けは、質問に答えるかパラメータを返すところで止まっています。AI はキャンバスを見られず、既存のパラメータしか調整できないので、結果が正しいかどうかは結局人が伝えなければなりません。
エージェントが Grasshopper に直接つながる
MCP(Model Context Protocol)は、AI がさまざまなソフトウェアに同じ方法でつながるためのオープン標準で、パソコン周辺機器にとっての USB のようなものです。Cordyceps は Grasshopper 用のオープンソース MCP プラグインで、キャンバスにコンポーネントを一つ置くとローカルサーバーが起動し、エージェントがコンポーネントの作成、配線、スクリプトコンポーネントの記述、エラーや出力値の読み取り、スナップショットの保存、さらに素材・照明・レンダリングの設定まで行えます。
AI を内蔵した Grasshopper プラグインの Raven と違い、Cordyceps 自体には AI がなく、外部のエージェントにつなぎます。そのぶんエージェントを自由に選んだり替えたりでき、設計ルールを Skill として書いておけば持ち運べ、同じつなぎ方を Rhino 以外のソフトウェアにも使えます。
ひとことでパラメトリックなファサードを作る
一言目:「XZ 平面に 20 × 8 の正方形のファサードパネルを作り、開口の大きさをアトラクターポイントからの距離で変化させ、スライダーで操作できるようにして」。二言目:「開口を六角形にして、各マスの開口面積がそのマスの 60% を超えないようにして」。
エージェントは自分でコンポーネントを作り、配線し、スクリーンショットで確認しました。途中で出力値を読み、各行が別々にスケールしている(データツリーのブランチが平坦化されていない)ことに気づいて、Flatten に切り替えて再計算。最後にグループを整理し、スライダーにわかりやすい名前をつけたので、定義を開けばすぐに理解できます。


照明:一枚の参考画像からシリーズへ
参考にした照明を分解すると、シェードは何段にも膨らんだ形に斜めの螺旋リブ、ベースは縦溝の入ったドーム。エージェントは Python スクリプトコンポーネント 2 つとスライダー 16 本でモデリングし、一歩ごとにスクリーンショットを参考画像と比べて調整、最後にマットな素材と暖色の光でレンダリングを設定しました。
続けて「雰囲気の違う、同じスタイルの照明を 3 つ作って」とひとこと言うだけで、エージェントはスライダーの値だけを変えてそれぞれ bake し、ふっくらした 2 段、斜め螺旋の 3 段、細長い 5 段の三種類ができました。


三つの照明のプロダクトイメージ

スツール:形 × テクスチャのシリーズ生成器
平面形状は形の参考シート(三つ葉、ハート、アーチ、四分円など)から取り、テクスチャは高さに沿って変化するリブ。さらに膨らみ、くびれ、段、ラッパ形などの曲率の変化を加えます。一脚がパラメータ一行で、一行変えれば別のスツールになります。

ウェーブスツール:一枚の写真から調整できるスツールへ
スラットは逆 U 字のプロファイルに波打つ脚で、曲線のオフセット、押し出し、キャップで作り、メッシュは使いません。11 本のスライダーでサイズ、枚数、角の丸み、波の振幅・数・位相差を操作し、値を変えて一度 bake するたびに新しい一脚になります。ロングベンチから低いフットスツールまで全五種類。
五つのスツールのプロダクトイメージ


発展:幾何学透かしのナイトライト


繰り返しの作業はエージェントに、時間はデザインの判断に
設計者は要望を伝えて方向を選び、コンポーネントの作成、配線、確認、修正はエージェントに任せます。同じ MCP のつなぎ方は Rhino 以外のデザインソフトにも広げられます。